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滋賀県東近江地域振興局 説明会資料より抜粋作成したものです。 |
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1、なぜ水田は、ゆりかごなのか? |
【稚魚にとって水田の特徴】 | ![]() |
ミジンコ 水中で、プランクトンとして生活をしている微小な甲殻類。 |
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・稚魚の餌となるプランクトンが大量に発生する。 | |||
・捕食者がほとんどいない (しかし、万年水田では捕食者が常に生存しているためプランクトンの奪い合いになりプランクトンが減少する) | |||
田んぼでの生存率は(稚魚数・産卵数)は、約30パーセントと非常に高い。 |
2、「魚のゆりかご水田」の目的は?
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【琵琶湖の周りの田んぼの変化】 |
・これまでは「環境と調和した農業」により琵琶湖とのその周辺の豊かな自然と健全な生態系が保たれてきました。 |
・ 昭和40年以降水田の圃場整備事業により水田と琵琶湖の以行帯が断絶された。又、農業排水(濁水)等の問題もある。 |
・ 外来魚問題もありフナ・コイ・ナマズ・モロコ等在来魚が減少してきた。 |
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☆★☆ こうした事で、「魚のゆりかご水田」活動が必要である。☆★☆ | |||
〜人と人とのきずなを取り戻すと共に、生き物の命あふれる自然豊かな農村環境を子や孫に引き継いでいく取り組みです。〜 |
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月 | 稲作・魚の成育 | 取 り 組 み の ポ イ ン ト | |||
五月 | 代掻き ↓ 田植 ↓ 除草剤 ↓ 防鳥棚設置 ↓ 親魚放流 農薬散布後(5日以降) ↓ 産卵 (放流日夜間) ↓ ふ化 (産卵数日後) ↓
溝きり ↓ 稚魚流下 ↓ 中干し |
1、設置場所 ・ 水持ちが良い圃場を選ぶ ・ ニゴロブナの場合、琵琶湖が重要な生息域であるため、琵琶湖へ流入しやすい水系が望ましい。 2、水稲の品種 どの品種でも特に問題はないが、湛水を出来るだけ長く行うことにより過繁茂傾向になります。 そのため耐倒伏性に優れた品種を選び、細植えを基本とするのが望ましい。 3、肥料の種類 通常の化学肥料で問題はないが、レンゲなどの緑肥や未熟な堆肥などの施用は、還元状態となり酸 素不足を招くため避ける。 4、水管理 ・通常に比べ可能な範囲で深め(5cm程度が望ましい)とし、中干しまで湛水を続ける。 ・中干しの開始は、稚魚が全長2cm程度になる放流後40日以降とし、出来れば通常に比べやや 遅らせて成長を促す。 ・稚魚回収・放流前に溝きりを行い、稚魚を本田からより多く水路へ流化させます。 5、除草剤 試験例では、魚毒性B一発剤の初中期および初期・中期体系(いずれも親魚放流は除草剤施用後3 日)でニゴロブナ仔魚に対する急性毒性は認めていませんが、できるだけ魚毒性A類の除草剤を選択 しましょう。 6、病害虫防除 イネミズゾウムシやイモチ病などの対策として稲箱や本田への農薬施用は中干しまで行わないよう 注意しましょう。 7、その他 ニゴロブナ親魚が産卵を行うまでにサギなどの鳥類に捕食されないよう親魚放流後半日から3日間 墾田に網などを部分的に設置するか、又は本田に深みを設けるなどニゴロブナ親魚を鳥類から保護 します。 |
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六月 |
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ニゴロブナ 琵琶湖固有種であり、滋賀県の郷土料理、鮒寿司の原料として価値の高い魚である。 鮒寿司は独特な風味があり、一度食べたらその味は、忘れられない。 当地区でも鮒寿司を漬けておられる家が何件もある。 |
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塩きりされた鮒 | 鮒寿司桶・飯・塩 | 飯に塩を混ぜて桶に漬ける | 飯・鮒と交互に漬けられる |